121121 初版
整数 a , b とその最小公倍数 l と最大公約数 g における関係式,
ab=lg という予想が立ちます。
次の定理を使います。
公倍数は最小公倍数の倍数である。
日本語は逆の命題の区別が表現しにくいのでしょう。
最小公倍数の倍数は明らかに公倍数ですが, この命題はその逆を述べています。
公倍数はどれも最小公倍数の倍数かと問われると,明らかではない気がします。
実際
m を公倍数( m > l)として,l で割ると,
r = m-lq   0 ≦ r < l となる q , r が存在するが, r も a, b の公倍数となる。
l は公倍数の中で最小だから, r=0
つまり,公倍数は最小公倍数の倍数である。
ab は明らかに公倍数ですが,最小でないとします。
そのとき最小公倍数 l は
l = ab′   1 ≦ b′ < b と書けるはず。
ab は l の倍数なので, ab = lk = ab′k すなわち b = b′kで k は b の約数。
同様に k は a の約数でもあり, a, b の公約数である。
l の最小性により,逆に k は公約数の中で最大である。

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