150412 初版 150412 更新
不等式の性質

任意の c について,
a < b ならば a + c < b + c
a < b ならば a - c < b - c
これより,不等式の項は 移項することができる。
説明
一次関数 f(x) = x + c は 単調に増加する 関数である。
すなわち,a < b ⇔ f(a) < f(b)

任意の 正の数 c について,
a < b ならば ac < bc
a < b ならば \(\dfrac{a}{c} < \dfrac{b}{c}\)
説明
一次関数 f(x) = cx は c が正の数のとき 単調に増加する 関数である。
すなわち,a < b ⇔ f(a) < f(b)

任意の 負の数 c について,
a < b ならば ac > bc
a < b ならば \(\dfrac{a}{c} > \dfrac{b}{c}\)
説明
一次関数 f(x) = cx は c が負の数のとき 単調に減少する 関数である。
すなわち,a < b ⇔ f(a) > f(b)

負の数を掛けたり割ったりすることは次のように見ることもできる。

例えば \(-2x > 6\) … ① を満たす x を求めたいとする。
移項して \(-6 > 2x\) … ②
②式は \(-3 > x\) … ③ と簡約されるのが自然である。
③式はすなわち, \(x < -3\) ④
④ は ① の両辺を -2 で割ったとみることができるが, 不等号の向きが変わっている。