私は 数学 という言葉にとても愛着があります。
ですから,数学という名前を教科,科目から外すのは
本当は適当ではないと思っています。
しかし,数理科学という言葉は,長いけど響がいい。
数理科学を略して 数学なのかなと思っています。
数理には二つの意味合いを込めています。
一つは,数のことわり です。
かず だけしかないけど,
かたち を含めてその性質を研究する。
もう一つは,現象の数理を探る
現象を数学的にとらえる。
問題解決という語を繰り返しています。
生徒は 未知数を設定する → 満たすべき式をつくる → 計算で要求にこたえる という流れをしたがらない。
何かうまい手があって,
ともすると 自動的に答えが出てくると思っているのではないかと
感じるくらいです。
理数科の生徒でも学力の低い生徒はその傾向が強い。
未知数・変数を設定する → 満たすべき式をつくる
は 問題を数学に乗せる点で大変重要な流れだと思っています。
この頃は,単に角の大きさを求めるいわゆる求値問題でも
これが θ の満たすべき式である という言葉を繰り返しています。
微分方程式に限らず 変数の満たすべき式をつくる それは予想でもよいのですが,
これがまさに 現象の数理化 です。
実は,数学の学校設定科目導入は私には先に結論ありきで,
あとは,どのように理由をつけるかです。
申請時の私の作文は次のとおりです。
SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定の研究開発目標の一つに,数学分野における教育課程と指導方法,教材開発および授業実践事例集録を掲げた。
- 従前よりSSH指定校での研究開発が反映された新学習指導要領における理数数学の指導方針を踏まえ,科学技術人材を育成するために,将来を期待されている高い資質を持った本校の生徒を対象にして,研究指定校として相応しい深化した数学教育を実践したい。
- 事象を定式化,数理化することによって,自然科学の根幹を成す,現象から理論を構築するモデルとしての数学を学ぶことのできる教材,指導方法を開発したい
- 理科との連携をより重視した理数教育の一体感を持たせる指導順序の研究と教材開発を行いたい。
- 講演会等だけでなく,日常の授業を通じて,論証力・表現力を養う教育課程の開発を行いたい。