\((a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca\), \((x+1)^2=x^2+2x+1\), \(x(x+1)=6\) のように,2つの式が等号で結ばれたものも 式と呼ばれることがあります。
違いを明らかにするときには,これを 関係式 と呼ぶことにします。
前2つは等号で結ばれた2つの式は同値です。
最後の1つは同値ではありません。
等式 A = B において,A と B が同値であるとき,つまり
文字がどのような値をとってもA と B の値が等しいとき,
この等式は 恒等式 であるといいます。
そうでないとき,すなわち,
ある値にしか等しくならないとき,
言い換えると,等しくなる値が制限されているとき,方程式 と呼びます。
2つの式 A, B の文字の並びが同じであるならば,
等式 A = B は恒等式になります。
例えば, A = a(x + 1)
2 + b(x + 1) + c,
B = 3x
2 + 2x + 1 として,
(a, b, c) = (3, -4, 2) …① ならば,A = B は恒等式となります。
逆に,① は 恒等式になるための
必要条件でしょうか。
① 以外に恒等式になることがあるでしょうか。
常に A = B ならば x = -1 のときに A と B は同じ値になるはずです。
したがって,c = 2 …② は必要条件の一つです。
x = 0 でも同じ値になるはずです。
したがって,a + b + c = 1 …③
同様に,x を 1 として,
4a + 2b + c = 6 …④
②③④ を同時に満たすのは ① だけですから,
① は恒等式になるための必要かつ十分な条件であるといえます。