三角関数の方程式 有名な問題 1

170828 初版 170828 更新
θ についての方程式 cos 2θ - sin θ = a … ① がある。
0 ≦ θ < 2π の範囲で, この方程式の解がちょうど2個 あるような定数 a の値の範囲を求めよ。
\(y=\cos 2\theta - \sin\theta\) とおきます。
\(\sin\theta = t\) とおくと, \(y=-2t^2-t+1\)
定数 a に対して,等式 -2t2 - t + 1 = a … ② を満たす t について考えます。
例えば,判別式をつかってみると,
方程式 ② の判別式は -8a + 9 ですから,
a が \(\dfrac{9}{8}\)より小さいとき 異なる2つの実数解をもちます。
 これでは,解答としては不十分です。
このことは,
a が \(\dfrac{9}{8}\) より小さい ならば, 等式 ② を満たす 実数 t が異なる2つある ということ
a が \(\dfrac{9}{8}\) より大きい ならば, 等式 ② を満たす 実数 t はない ということ
を言っているにすぎません。
おおもとの問題は,① を満たす θ の個数を問うています。 (しかも,θ の範囲は限られています。)
例えば,
a = 1 のとき,t は 0, \(-\dfrac{1}{2}\) の2個ですが, θ は この範囲で 4個です。
a = 0 のとき,t は -1, \(\dfrac{1}{2}\) の2個ですが, θ は 3個,
a = -5 のとき,t は -2, \(\dfrac{3}{2}\) の2個ですが, θ は 0個です。
② を満たす実数 t があるだけでなく, どんな値かが気になります。
 そこで,t に対する,-2t2 - t + 1 = f(t) の値を調べます。
\(f(t) =-2\left(t+\dfrac{1}{4}\right)^2+\dfrac{9}{8}\)
\(t< -1\) ならば \(f(t)<0\)
\(t = -1\) ならば \(f(t)=0\)
\(-1 < t< 1\) ならば \(-2 < f(t)<\dfrac{9}{8}\)
\(t= 1\) ならば \(f(t)=-2\)
\(t> 1\) ならば \(f(t)<-2\)
であることがわかります。
したがって,
\(0 < a<\dfrac{9}{8}\) ならば \(-1< t < 1\) なる 異なる t が 2つ あります。
また,
\(a=\dfrac{9}{8}\) ならば \(-1< t < 1\) なる t が 1つだけ あります。 (具体的には\(-\dfrac{1}{4}\))
t < -1, 1 < t のとき,θ はこの範囲で 0 個,
t = -1, 1 なる t は t ひとつにつき,θ はこの範囲で 1 個,
-1 < t < 1 なる t は t ひとつにつき,θ はこの範囲で 2 個
 以上より,
① を満たす θ はちょうど2個あるのは, \(-2< a < 0\) または \(a=\dfrac{9}{8}\)のときです。
t -1 \(-\dfrac{1}{4}\) 1
f(t) 0 \(\dfrac{9}{8}\) -2
θ 0 個 1 個 2 個 2 個 2 個 1 個 0 個