そもそも積分とは

200202 初版 200202 更新
コンビニの弁当を買うと,温めに電子レンジで, 500 W なら 4 分 10 秒と書いてありました。 250 秒ですから, 125000 J の熱量が必要だということです。
Mさんの家の電子レンジはポンコツで, 電源を入れたときこそ 700 W の出力ですが, 時間とともに指数関数的に出力が減っていき,4分経つと半分になります。 この電子レンジでは,何秒間加熱すればよいでしょうか。 (電源を切ってすぐには出力700 Wには戻らないです。)
例えば,1分後は出力は\(700\cdot\left(\dfrac{1}{2}\right)^{1/4}\) で 589 W
最初の1分間では最大で42000 J,最小で35340 Jです。
30秒ごとに,ざっくりと計算してみます。
時刻(秒)出力(W)30秒間の熱量の最大値(J)最小値(J)最大値の計(J)
070021000192570
30642192571765921000
60589176591619340257
90540161931484957916
120495148491361774109
150454136171248788958
1804161248711450102575
2103821145010500115062
240350105009629126512

4 分 くらいだということがわかります。
時刻 t(秒) における出力は \(700\cdot\left(\dfrac{1}{2}\right)^{t/240}\) です。
a = 700 とおきます。 また, \(\log\left(\dfrac{1}{2}\right)^{1/240} =-\dfrac{1}{240}\log 2\) を \(-\mu\) とおきます。
\(\mu=0.00288811\cdots\) くらいです。
すると,時刻 t(秒) における出力を f(t) とおいたとき, \(f(t)=ae^{-\mu t}\)
時刻 0 から 120 までの熱量を 15 秒ごとの刻みの和で表すと, f(t) は単調に減少する関数だから,多く見積もって
\(f(0)\cdot 15+ f(15)\cdot 15 + f(30)\cdot 15 +f(45)\cdot 15+ f(60)\cdot 15 + f(75)\cdot 15 +f(90)\cdot 15+ f(105)\cdot 15 + f(120)\cdot 15\)
時刻 0 から x までの熱量を\(\dfrac{x}{n}\) 秒ごとの刻みの和で表すと, f(t) は単調に減少する関数だから,多く見積もって
\(\displaystyle{ F_n(x)=\sum_{k=0}^{n-1}f\left(t_k\right)\Delta t }\),  ここで \(t_k = \dfrac{x}{n}k\),  \(n\cdot \Delta t = x\)
n を限りなく大きくしたときの, \(F_n(x)\)の極限を考えれば,時刻 0 から x までの熱量を求めることができます。
\(\displaystyle{F(x)=\lim_{n\rightarrow\infty}F_n(x)}\)
F(x) を f(t) の t = 0 から x までの積分ということにします。
積分と微分の関係へつづく