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例えば,x > 0 のときの f(x)=x+4x の値の変化には
このような
現象がある。
現象を数学的に説明することを,私はそのことの数理を探究する,
ということにしている。
発達段階に応じて,また,多角的に説明できたらいいことである。
そのときには,段階に応じた共通の原点(公理のようなこと)までつめればいい。
その公理は段階に応じて変わるのである。
小学生の視点と,中学生の視点と,高校生の視点と,研究者の視点は違ってくるが,
それがスパイラルということなのかもしれない。
最初に理論があるのではなく,現象が出発点である。
でもなぜかその裏に理論が存在している。
それが,不思議であり,面白くもあり,美しくもある。
いくつかの数の和をとって,個数で割ったものを相加平均という。
例えば,2数 a, b の相加平均は a+b2である。
いくつかの数の積をとって,個数乗根をとったものを相乗平均という。
面倒だから,正の数の相乗平均を考えることにする。
例えば,2数 a, b の相乗平均は √abである。
a |
… |
12 |
1 |
32 |
2 |
52 |
3 |
72 |
… |
b |
… |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
… |
相加平均 |
↗ |
54 |
32 |
74 |
2 |
94 |
52 |
114 |
↗ |
相乗平均 |
↗ |
1 |
√2 |
√3 |
2 |
√5 |
√6 |
√7 |
↗ |
次のような関係が成り立つ。
いくつかの正の数があったとき,
相加平均は相乗平均より小さくない。
すなわち,a>0, b>0, のとき,
a+b2≧
説明はいくつかあって,
2次方程式の
実数解条件を使うと,
2つの正の数 a, b が
2次方程式 x^2-px+q=0 の解であるとすると,
p^2-4q\geqq 0 でなければならないが,
p=a+b, q=ab だから,
(a+b)^2\geqq 4ab
よって,a+b\geqq 2\sqrt{ab}
すなわち \dfrac{a+b}{2}\geqq\sqrt{ab}
よくあるのは,
どんな正の数 a, b でも
\left(\sqrt{a}-\sqrt{b}\right)^2\geqq 0
ところで,
\left(\sqrt{a}-\sqrt{b}\right)^2=a+b-2\sqrt{ab}
ゆえに,どんな正の数 a, b でも
\dfrac{a+b}{2}\geqq\sqrt{ab}