130104 初版
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不等式 \(\left|x+1\right|+\left|x-2\right| > 6\)を解け。
\(f(x)=\left|x+1\right|+\left|x-2\right|\)とする。
x -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6
|x+1| 3 2 1 0 1 2 3 4 5 6 7
|x-2| 6 5 4 3 2 1 0 1 2 3 4
f(x) 9 7 5 3 3 3 3 5 7 9 11
増減表も早いうちに学ぼう。  全日本増減表利用促進協議会
↘は減少を, ↗は増加を表す。
\(f(x)=\left|x+1\right|+\left|x-2\right|\)とする。
x -1-a -1 -1+a 2-b 2 2+b
|x+1| a 0 a 3-b 3 3+b
|x-2| 3+a 3 3-a b 0 b
f(x) 3+2a 3 3 3 3 3 3 3 3+2b
f(x)=6 となる x はふたつある。
f(x)=6 を満たす x をα, β (α < β)とすると,
不等式の解は x < α または β < xである。
ここは,方程式の出番である。
方程式を解くということは,数学のよさのひとつである。
\(x\geqq 2\) において,\(f(x)=(x+1)+(x-2)=2x-1\)
\(-1 < x < 2\) において,\(f(x)=(x+1)-(x-2)=3\)
\(x \leqq -1\) において,\(f(x)=-(x+1)-(x-2)=-2x+1\)
\(x\geqq 2\) かつ \(f(x)=6\) ⇔ \(x\geqq 2\) かつ \(2x-1=6\) すなわち \(x=\dfrac{7}{2}\)
\(-1 < x < 2\) かつ \(f(x)=6\) これを満たす x はない
\(x\leqq -1\) かつ \(f(x)=6\) ⇔ \(x\leqq -1\) かつ \(-2x+1=6\) すなわち \(x=-\dfrac{5}{2}\)
よって,方程式 f(x)=6 の解は \(x=-\dfrac{5}{2}\) または \(\dfrac{7}{2}\)
よって,不等式 f(x) > 6 の解は \(x<-\dfrac{5}{2}\) または \(\dfrac{7}{2}< x\)
また,不等式 \(f(x) \leqq 6\) の解は \(-\dfrac{5}{2} \leqq x \leqq \dfrac{7}{2}\)
補集合の考えも大切である。
不等式の形式的な処理は,気をつけなければならない。
⇔という記号も素人は使わないほうが無難である。
形式的な処理は,意味が分かっている人にしかできないことなのだ。
不等式を解くのは計算だから,正解が出て,
必要に応じて説明ができればよい。
グラフ1 \(y=|x+1|+|x-2|\)

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