3点A, B, P は同一直線上にある。
点P が 直線AB 上にある。
この2つの文は,数学的には同じことを意味している。
それすら,理解できない(あるいは理解を拒否している)ことがある。
同じこと,同じ文を見ていても,ひとによって,理解が異なるようだ。
高校1,2年では,問題の解き方もいいが,数学の感覚をつけさせたい。
ベクトルを用いるとさらに,
\(\overrightarrow{\rm AP}=t\overrightarrow{\rm AB}\) …① なる t がある。
といいかえることができる。
数学ではこれらが同じことだと理解することが大切である。
実数 t の意味合いは
一直線上にある3点について,
0 < t < 1 のとき,Pは線分ABをAP:PB = t:(1-t) に内分する点である
t < -1 および t > 1のとき,Pは線分ABをAP:PB = |t|:|1-t| に外分する点である
①式のいいかえもいくつかあって
始点変更公式を使うと,
\(\overrightarrow{\rm OP}=(1-t)\overrightarrow{\rm OA}+t\overrightarrow{\rm OB}\) …②
②式の解釈は
P の位置ベクトルは A の位置ベクトルと B の位置ベクトルに 1-t, t の重みをつけて結合している。
係数の対応に注意する。
斜交座標の考えを使うと,
平面 OAB 上の任意の点P には
\(\overrightarrow{\rm OP}=s\overrightarrow{\rm OA}+t\overrightarrow{\rm OB}\) なる (s,t) が
存在するが,
P が 直線AB 上にあることは s + t = 1 と同値である。
どれも同じことをいいかえているに過ぎない。
そういう感覚があるひととないひとでは,悲しいくらいに見えているものが違う。