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ベクトルは図形の問題を解く道具である。
そう思っていると、教科書にはないがよく用いられる考えがある。
平面 α の 法線ベクトルを →n とする。
点 P と α との距離を求めよう。
H を P から α に下ろした垂線の足とする。
手法1
正射影の考えを使う。
α 上に 点 A をとり,
直角三角形PAH に注目する。
∠ APH = θ とおく。
PH = PA cos θ
ところで,cosθ=|→PA⋅→n|PA⋅|→n|
ゆえに,PH=|→PA⋅→n||→n|
手法2
手法1とおなじことだが,
α 上に 点 A をとり,
→AH⋅→n=0 … ①
→PH=t→n なる t がある。… ②
① より,
(→PH−→PA)⋅→n=0 … ③
すなわち,
→PH⋅→n=→PA⋅→n
② より
t=→PA⋅→n|→n|2
再び ② より
PH=|→PA⋅→n||→n|
③ の変形が決め手である。
座標から高さを出す際にも,ベクトルの考えを使って求めたほうがいいと思う。