自然数a, b に対して,
a の正の約数の集合をA, b の正の約数の集合をB とします。
A にも B にも属する数をa と b の(正の)公約数といいます。
公約数の集合は A ∩ B (A と B の共通部分)です。
約数の集合は有限集合です。公約数の集合も有限集合です。
その中で,最大の数を 最大公約数 と呼んでいます。
最大公約数を求める方法をもうひとつ紹介しましょう。
横の長さ360, 縦の長さ100 の長方形から同じ大きさの正方形を無駄なく切り取ります。
一辺の長さが1 であれば問題ありませんが,できるだけ大きい正方形を切り取るには,
一辺の長さをいくらにすればよいでしょうか。
この長方形から一辺の長さが100 の正方形を切り取ると,3つできて,横60, 縦100 の長方形が余ります。
さらに,この長方形から一辺の長さが60 の正方形を切り取ると,1つできて,横60, 縦40の長方形が余ります。
さらに,この長方形から一辺の長さが40 の正方形を切り取ると,1つできて,横20, 縦40の長方形が余ります。
この長方形からは一辺の長さが20 の正方形が2つ切りとることができて,余りはありません。
40 = 20 × 2,
60 = 20 × 3,
100 = 20 × 5 ですから,
答えは一辺の長さが20 の正方形です。
20 は 360 と 100 の最大公約数です。
このような求め方を
ユークリッドの互除法といいます。