最大公約数

160513 初版 160513 更新
 自然数a, b に対して, a の正の約数の集合をA, b の正の約数の集合をB とします。 A にも B にも属する数をa と b の(正の)公約数といいます。 公約数の集合は A ∩ B (A と B の共通部分)です。 約数の集合は有限集合です。公約数の集合も有限集合です。 その中で,最大の数を 最大公約数 と呼んでいます。
 a = 360, b = 100 とします。
a = 23・32・5,   b = 22・52
と分解されます。このように,自然数の積に分けられない形まで分解する, (n = 1・n は除きます) 言い換えると,素数だけの積に分解することを素因数分解するといいます。 g = 22・5 とおくと, a = 18g, b = 5g となるので,g は a, b の最大公約数です。
最小公倍数は l = 23・32・52です。
 次のように共通因数で割っていく, すだれ算といえるような方法があります。
2)360100
2)18050
5)9025
185
g = 22・5
実際には素数で割らなくてもいいのではと思います。
 最大公約数を求める方法をもうひとつ紹介しましょう。
横の長さ360, 縦の長さ100 の長方形から同じ大きさの正方形を無駄なく切り取ります。 一辺の長さが1 であれば問題ありませんが,できるだけ大きい正方形を切り取るには, 一辺の長さをいくらにすればよいでしょうか。
この長方形から一辺の長さが100 の正方形を切り取ると,3つできて,横60, 縦100 の長方形が余ります。
さらに,この長方形から一辺の長さが60 の正方形を切り取ると,1つできて,横60, 縦40の長方形が余ります。
さらに,この長方形から一辺の長さが40 の正方形を切り取ると,1つできて,横20, 縦40の長方形が余ります。
この長方形からは一辺の長さが20 の正方形が2つ切りとることができて,余りはありません。
40 = 20 × 2, 60 = 20 × 3, 100 = 20 × 5 ですから, 答えは一辺の長さが20 の正方形です。 20 は 360 と 100 の最大公約数です。
このような求め方をユークリッドの互除法といいます。