160502 初版 161103 更新
3, 6, 9, 12, 15, 18, …
1, 5, 9, 13, 17, 21, …
3, 9, 27, 81, 243, 729, …
数を一列に並べたものを 数列(sequence) といいます。
横に並べるか,縦に並べるかは別にして,
一列に並べると,まえ,うしろ(つぎ)とリニア(linear)に順序が決まります。
一般に,末尾はないかもしれませんが,先頭は存在します。
数列を構成するものを項といいます。
先頭,一番最初の項を初項といいます。
n 番目の項を,第n項といいます。
数列全体を {a
n} のように書くことがあります。
a
n のことを一般項といいます。
a(n) と書くこともあります。
a は
対応の規則 と見ることができます。
定義域を自然数の集合とする対応です。
数列と集合の違いは,数列は一列に並んでいますので,順番があります。
集合はあつまりで順番はありません。
所属しているか否かだけが問題です。
例えば,正の3の倍数を小さい順に並べると数列ができます。
全体を {3n} と表すことができます。
初項は 3,第8項は24です。
ここでは,数列では規則のあるものを扱います。
ある現象の規則を見ぬいて式で記述する
式で記述されたことから要求に演繹的に応える
このようなことが目標になってきます。
先ほどの正の3の倍数のように,一般項が項番号の式で記述できる場合があります。
その他に,それまで出てきた数から次の数を生成するというような規則で
数列が記述されることがあります。
例えば,平面上に直線が n 本あって,
どの2直線も平行ではない … ①
しかも,どの3直線も1点で交わることはない … ②
とします。
このときの交点の個数 a
n を求めてみましょう。
いきなり n の式で求めるのではなく,n = 1 から逐次的に考えていきます。
問題を「数列的」に考えるのは,このように「逐次的」に
あるいは「(数学の)帰納的」に現象を捉えることだと思っています。
a
1 = 0, a
2 = 1
2本直線がある状態で,この規則で3本目を引くと,
①より,3本めの直線はすでにある2本の直線と交わります。
②より,すでにある交点のを通ることはありません。
したがって,a
3 は a
2 より2増えて,3になります。
100 本目の直線を引くと,
99 本ある直前の状態より 99 個交点が増えることになります。
したがって,a
100 は自然数を1から99まで加えた結果になります。
すなわち,a
100 = 4950
一般に,この規則でn 本目の直線を引くと,
n-1 本ある直前の状態より n-1 個交点が増えることになります。
つまり,a
n = a
n-1 + n-1
このような生成規則を記述する式を数列の漸化式とよんでいます。
教科書では項番号が0以下になるような式を避けることが多いので,
a
n+1 = a
n + n と書かれています。
自然数の和の公式より
\(a_n=\dfrac{1}{2}n(n-1)\)
数学の世界ではこのように問題を解析して式で記述することと,
実際に計算して答えを求めることでは,
やっていることが少し異なるような気がしています。