160528 初版 160531 更新
実数 には大小関係があります。
つまり,任意の2つの実数a, bは,等しい(a = b), a は b より大きい(a > b),
a は b より小さい(a < b) のどれか1つが成り立ちます。
このことにより,実数は一列に並べることができます。
それを視覚的にイメージしたものが直線です。
幾何学とはものの様子を研究する分野で,
ここでは,ものの様子を数や式の言葉を使って,記述していきます。
0 を基準に実数を左右一列直線状に,
右に向かって大きくなるように並べます。
実数は位置を表すことができます。
このことを座標と呼んでいます。
2点が与えられると距離が決まります。
例えば,A(-5), B(2) とすると,
B は A より右にあって,A, B の距離は 7 です。
線分AB の長さが 7 であることと同じです。
AB = 7 と書きます。
例えば,A(a), B(2) とすると,
A が B より右にあれば,
AB = a - 2 ですが,左にあればこの式は正しくありません。
A, B 間の距離は
もし a ≧ 2 ならば a - 2, もし a < 2 ならば 2 - a です。
これは絶対値記号を使えば AB = |a - 2| と表すことができます。
例えば,A(3) とします。
A より右に5 の距離にある点は 8 です。
A より左に5 の距離にある点は -2 です。
このように,図形を数や式で表すときには,
自然と
ベクトル
の考えが出てきます。
ベクトル とは,大きさと向きをもつ量のことです。
大きさとは正または0 で表される実数です。
実際には,実数は大きさだけではなく,
正,負という向きをもつ量だとみなすことができます。
座標は点の位置を表すとても便利な方法です。
2点の位置関係についてはベクトルの考えを使うと便利です。
また,例えば,A(2), B(7) のとき,
P(4) は 線分AB を 2:3 に内分する点です。
直線上の3点の位置関係については,分点の考えを使うと便利です。
一般に A(a), B(b) とするとき,線分AB を m : n に分ける点の座標は
\(\dfrac{n}{m+n}\cdot a + \dfrac{m}{m+n}\cdot b\) です。
例えば,3 : 1 に内分する点の座標は\(\dfrac{1}{4}a+\dfrac{3}{4}b\),
3 : 1 に外分する点は,3 : (-1) に分ける点と定義して,
\(\dfrac{-1}{2}a+\dfrac{3}{2}b\) です。