170429 初版 170429 更新
2つの変数(変量) x, y があって,
あるx に対して,y の値が1つだけ決まるとき
y は x の関数であるといいます。
問題意識は,
- y の とりうる値 の範囲はどうなのだろうか (値域,最大・最小)
- y の 変化の様子 はどうなのだろうか (増減)
- 逆に,y に対して,x の 値(の範囲) はどうなのだろうか (方程式・不等式)
などが挙げられます。
現象の変化の様子に注目する分野が 解析学 です。
f(x) のとりうる値の範囲 すなわち 値域は
集合 R = {f(x)| x ∈ D} (D は x のとりうる値の範囲すなわち定義域)
のことです。
最大値は R のなかで最も大きな値のことです。
本来は,D に属するすべての a に対して f(a) を計算して,
一番大きな数を挙げることになります。
実際には,よく知られている関数ならば,
その特徴から答えることになります。
例えば,1次関数 f(x) = -2x + 1 について,
f(x) は 常に単調に減少します。
区間 -1 ≦ x ≦ 3 においては,
f(3) ≦ f(x) ≦ f(-1)
すなわち,最大値 は f(3),最小値 は f(-1) です。
例えば,2次関数 f(x) = (x + 1)2 - 3 について,
f(x) は x ≦ -1 において単調に減少,
x ≧ -1 において単調に増加します。
また,任意の h に対して f(-1 + h) = f(-1 - h) です。
区間 -3 ≦ x ≦ 3 においては,
f(-1) ≦ f(x) ≦ f(3)
すなわち,最大値 は f(3),最小値 は f(-1) です。
例えば,関数 f(x) = 2x について,
f(x) は 常に単調に増加します。
区間 -1 ≦ x ≦ 3 においては,
f(-1) ≦ f(x) ≦ f(3)
すなわち,最大値 は f(-1),最小値 は f(3) です。
例えば,関数 f(x) = log2 (3x + 4) について,
f(x) は 常に単調に増加します。
区間 -1 ≦ x ≦ 3 においては,
f(-1) ≦ f(x) ≦ f(3)
すなわち,最大値 は f(-1),最小値 は f(3) です。
例えば,関数 \(f(x) = \sin (x + \frac{\pi}{3})\) について,
一般には,n を整数として,
\(x + \frac{\pi}{3} = \frac{\pi}{2} + 2n\pi\)
すなわち,\(x = \dfrac{1+12n}{6}\pi\) で最大,
\(x + \frac{\pi}{3} = \frac{3}{2}\pi + 2n\pi\)
すなわち,\(x = \dfrac{7+12n}{6}\pi\) で最小となります。
区間 0 ≦ x ≦ π では,
とりうる値の範囲は \(-\dfrac{\sqrt{3}}{2}\leqq f(x) \leqq 1\)
関数の とりうる値の範囲 を知りたければ,
関数の値のふるまい,つまり 増減 を調べればよい。
一般には,
微分の力 を借りるといいです。