R と U との交換子 RUR'U' による置換を見てみましょう。
R と U が可換なら、これは何もしないことと同じです。
以前 表4 がありました。
表 4 RU による置換
O |
あ |
い |
う |
え |
か |
き |
く |
け |
RU |
い |
き |
う |
あ |
か |
く |
え |
け |
また、表5 がありました。
表 5 UR による置換
O |
あ |
い |
う |
え |
か |
き |
く |
け |
UR |
き |
い |
え |
あ |
か |
く |
う |
け |
表5 の上段と下段を逆にすると UR の逆元
R'U'の置換が記述できます。
表 7 R'U' による置換
O |
き |
い |
え |
あ |
か |
く |
う |
け |
R'U' |
あ |
い |
う |
え |
か |
き |
く |
け |
表 4 と表 7 から RUR'U' が計算できます。
表 8 RUR'U' による置換
O |
あ |
い |
う |
え |
か |
き |
く |
け |
RUR'U' |
い |
あ |
く |
え |
か |
き |
う |
け |
図 RUR'U' による置換
このように、RUR'U' は あ と い および う と く の入れ替え(互換)を引き起こします。
第1段階のコーナーキューブの位置をそろえることにも使えそうです。
さらに面白いことに、あ と い および う と く の互換だということは、
RUR'U' を 2回続けて行う、
すなわち RUR'U'RUR'U' は
コーナーキューブの位置を変化させないということになります。
ところが、実際にやってみると副作用があります。
それが、このルービックキューブの複雑なところで、コーナーキューブが回転するのです。その様子を別の記述方法で調べてみます。
これもコンピュータの力を借りています。
EXCEL という表計算ソフトのマクロ(
ダウンロード)で実現しています。
コンピュータのいいところは、間違えないでシミュレーションしてくれるところです。
コンピュータに指示をするのは、ちょっと面倒ですが、
やりがいもあります。
思ったとおりに動いたときの醍醐味は、
数学の問題が解けたときとは少し違いますが、
nice な感覚です。
この操作をシミュレートするには、
置換結果のこの表をコンピュータに教えてあげればよいのです。
このようにパズルの様子を分析する際に、
数学的な手法を使いました。
定義をしたり、様子を記述したりするときには
数学的な表現、数学的な考えを使い、
動作をシミュレートするときには、
数学的な処理、計算をしていきます。
出てきた結果を知識として蓄えます。
見取り図にしてみました。
C+ は 上から見て時計回りに面の色が回転する、
C- は 上から見て反時計回りに面の色が回転するという意味です。
確かに、キューブの位置は動いていないのですが、面の色が置換されています。