http://goo.gl/MFRFj 130223 初版
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例題1
1次不定方程式 7x+4y=1 の
整数解 (x,y) を求めてみよう。
1つめのポイントは
この式を 7x=-4y+1 変形して,
7の倍数のうちで,4で割って 1余るものを求める問題とみる ①
実はこれがすべてである。
だから,
等差数列の共通項の問題と同値である。
2つめのポイントは
7の倍数の4で割った余りをとること,
3の倍数の4で割った余りをとることは,同値だということ ②
4で割った余りは,高々4通りしかないから,
少なくともx=1,2,3のうちのどれかが解になる。
よって,(x, y)=(3, -5) を得る。
一組見つければ,一般解は,
7x+4y=1 7×3+4×(-5)=1 の両辺の引き算をして,
7(x-3)+4(y+5)=0
x-3 は4の倍数 (xは4で割って3余る数) だから
整数 k をもって,x=3+4k
このとき, y=-5-7k
すなわち (x, y)=(3+4k, -5-7k) (k は任意の整数)
数列の問題もそうだが,
この程度の問題なら,
数にどれだけ親しんでいるかが,問われているだけだと思う。
1次不定方程式はこの ① ② 2つの原理で解ける。
次は,いじわるな問題
例題2
1次不定方程式 33x+16y=1 の
整数解 (x,y) を求めてみよう。
この式を 33x=-16y+1 変形して,
33の倍数のうちで,16で割って 1余るものを求める問題とみる ①
33の倍数の16で割った余りをとること,
1の倍数の16で割った余りをとることは,同値だということ ②
よって,(x,y)=(1, -2) を得る。
一般解は,
33x+16y=1 33×1+16×(-2)=1 の両辺の引き算をして,
33(x-1)+16(y+2)=0
x-1 は16の倍数 (xは16で割って1余る数) だから
(x,y)=(1+16k, -2-33k) (k は任意の整数)
互除法なんか使わない。
というか ② が互除法の思想。
例題3
1次不定方程式 18x+7y=4 の
整数解 (x,y) を求めてみよう。
この式を 18x=-7y+4 変形して,
18の倍数のうちで,7で割って 4余るものを求める問題とみる ①
18の倍数の7で割った余りをとること,
4の倍数の7で割った余りをとることは,同値だということ ②
よって,(x,y)=(1, -2) を得る。
一般解は,
18x+7y=4 18×1+7×(-2)=4 の両辺の引き算をして,
18(x-1)+7(y+2)=0
x-1 は7の倍数 (xは7で割って1余る数) だから
(x,y)=(1+7k, -2-18k) (k は任意の整数)
互除法は使わない。
というか ② が互除法の思想。
例題4
1次不定方程式 7x+33y=1 の
整数解 (x,y) を求めてみよう。
この式を 33y=-7x+1 変形して,
33の倍数のうちで,7で割って 1余るものを求める問題とみる ①
33の倍数の7で割った余りをとること,
5の倍数の7で割った余りをとることは,同値だということ ②
よって,(x,y)=(-14, 3) を得る。
一般解は,
7x+33y=1 7×(-14)+33×3=1 の両辺の引き算をして,
7(x+14)+33(y-3)=0
x+14 は33の倍数 (xは33で割って19余る数) だから
(x,y)=(-14+33k, 3-7k) (k は任意の整数)
互除法は使わない。
というか ② が互除法の思想。
いよいよ
例題5
1次不定方程式 73x+35y=1 の
整数解 (x,y) を求めてみよう。
機械的な計算方法は
こちら
73の倍数のうちで,35で割って 1余るものを求める問題とみる ①
3の倍数のうちで,35で割って 1余るものを求める問題とみる ②
x=12 が すぐに見つからなかったら,
次のようにする。
Ⅰ |
\(73x=-35y+1\) |
となる 整数解を求める |
|
② ⇓ |
|
Ⅱ |
\(3x=-35y_1+1\) |
となる 整数解を求める |
Ⅱ′ |
\(35y_1=-3x+1\) |
となる 整数解を求める |
|
② ⇓ |
|
Ⅲ |
\(2y_1=-3x_1+1\) |
となる 整数解を求める |
整数解を辿る。
Ⅰ |
\(73x=-35y+1\) |
\((x,y)=(12,-25)\) |
|
⇓ |
⇑ |
Ⅱ |
\(3x=-35y_1+1\) |
\((x,y_1)=(12,-1)\) |
Ⅱ′ |
\(35y_1=-3x+1\) |
|
|
⇓ |
⇑ |
Ⅲ |
\(2y_1=-3x_1+1\) |
\((x_1,y_1)=(1,-1)\) |
よって,(x,y)=(12, -25) を得る。
一般解は,
73x+35y=1 73×12+35×(-25)=1 の両辺の引き算をして,
73(x-12)+35(y-3)=0
x-12 は35の倍数 (xは35で割って12余る数) だから
(x,y)=(12+35k, -25-73k) (k は任意の整数)
互除法は使わない。
というか ② が互除法の思想。
これをスクリプトに行わせるのが,
ディオファントス計算器
技法を覚えることと,
思想を身につけることでは,少し違いがある。