自然数 n を含む命題を pn とする。
すべての自然数 n について pn が成り立つことを証明する
ために用いられる方法である。
人間の思考が無限に挑んだ一章である。
数学的帰納法
自然数 n を含む命題を p
n とする。
すべての自然数 n について p
n が成り立つことをいうには,
次の2つのこと(2つの命題)を示せばよい。
[1]
p1 が成り立つことを示す。
[2]
pk が成り立つと仮定する (帰納法の仮定)
ならば
結論として pk+1 が成り立つ。
[1][2] より すべての自然数 n について p
n は成り立つ。
(帰納法の結びのひとこと)
この [1], [2] の2つだけ示せば,
無限個の命題 pn が成り立つことを示したことになる。
例
1 + 3 + 5 + … + (2n-1) = n2 … ① が成り立つ。
多項式の計算のような,単純な計算で求めることはできない。
例
すべての自然数 n について,
42n+1 + 3n+2 は 13 の倍数であることを証明せよ。
例
3 以上のすべての自然数 n について,
不等式 3n-1 > n2 - n + 2
が成り立つことを証明せよ。
例
\(a_1=1\), \(a_{n+1}=\dfrac{a_n}{1+3a_n}\) によって
定められる数列 {an} について
an を n で表す式を推測し,
それを数学的帰納法で証明せよ。