「一応正確に描いた図を見れば真であることが明らかな命題」
をもとに高校生向きの幾何学を構成していく。
確かに高校の数学は理論を構成していく楽しさがある。
いろいろな場面がある。
生徒と一緒に数学が作って行けたら,それは最高である。
平行四辺形ABCD において,
\(\overrightarrow{\rm AB}=\vec{a}\) とすると,
\(\overrightarrow{\rm DC}=\vec{a}\)
\(\overrightarrow{\rm BA}\),
\(\overrightarrow{\rm CD}\) は \(\vec{a}\) の逆ベクトルという。
\(\overrightarrow{\rm BA}=\overrightarrow{\rm CD}=-\vec{a}\)
\(\overrightarrow{\rm AB}=\vec{a}\) に対して,
線分AB の長さを
\(\overrightarrow{\rm AB}\), \(\vec{a}\) の大きさといい,
\(\left|\overrightarrow{\rm AB}\right|\),
\(\left|\vec{a}\right|\) とかく。
\(\left|\vec{a}\right|=\left|-\vec{a}\right|\)
大きさが零であるベクトルを零ベクトルといい \(\vec{0}\) で表す。
三角形OAB において,
辺OAを3等分して順にO, K, L, A,
辺OBを3等分して順にO, P, Q, B とする。
このとき,KP, LQ, AB は平行である。
\({\rm KP}=\dfrac{1}{3}{\rm AB}\),
\({\rm LQ}=\dfrac{2}{3}{\rm AB}\)
零でない2つのベクトルが同じ方向であるとき,
平行であるという。
2つのベクトル \(\vec{a}\), \(\vec{b}\) が平行であるとき,
\(\vec{b}\) は \(\vec{a}\) の実数倍で表せるといい,
\(\vec{b}=t\vec{a}\) なる t が存在する。
実際 \(|t|=\dfrac{|\vec{b}|}{|\vec{a}|}\),
向きが正反対のときは負の数である。
これは,平行条件ともいう。
零でない
2つのベクトル \(\vec{a}\), \(\vec{b}\) が平行である
⇔ \(\vec{b}=t\vec{a}\) なる t が存在する
例えば,
\(\overrightarrow{\rm KP}=\dfrac{1}{3}\overrightarrow{\rm AB}\),
\(\overrightarrow{\rm AB}=-\dfrac{3}{2}\overrightarrow{\rm QL}\)
また,
\(\overrightarrow{\rm PQ}=\dfrac{1}{3}\overrightarrow{\rm OB}\),
\(\overrightarrow{\rm AK}=-\dfrac{2}{3}\overrightarrow{\rm OA}\)
このように,3点が一直線上にある場合も,実数倍で表される。
同一でない3点A, B, Cが一直線上にある
⇔ \(\overrightarrow{\rm AC}=t\overrightarrow{\rm AB}\) なる t が存在する
このように,ベクトルには実数が積で作用している。
実数は左からの積でかきたい。