「一応正確に描いた図を見れば真であることが明らかな命題」
をもとに高校生向きの幾何学を構成していく。
確かに高校の数学は理論を構成していく楽しさがある。
いろいろな場面がある。
生徒と一緒に数学が作って行けたら,それは最高である。
ベクトルってなんだろう。
数学に限らず,概念というものは,
勉強し終わってから己の頭の中に出来上がるものだと思うので,
答えは人によって違うし,
最初からあるものでもない。
ベクトルは,大きさと向きをもつものである。
世の中で使われるベクトルという言葉は,それでほぼ合っていて,
しばらくは矢印だと思って間違いない。
2点A, Bがあったとき,
AからBへの有向線分を \(\overrightarrow{\rm AB}\) とかく。
教科書にはうまいこと書いてあって、
有向線分から位置の情報を除いたものをベクトルという。
つまり、ベクトルは
有向線分の代表系である。
2つのベクトル
平行移動で重なるとき,またそのときに限り,
この2つのベクトルは等しいという。
ベクトルがけしからんなんてとんでもない。
これは小学生でも十分理解できる。
ものの思想こそ,スパイラルに学習するべきである。
例えばLOGO
例として,
平行四辺形ABCDがあったとき,
2つのベクトル\(\overrightarrow{\rm AB}\),
\(\overrightarrow{\rm DC}\) は等しい。
\(\overrightarrow{\rm AB}=\overrightarrow{\rm DC}\)
\(\overrightarrow{\rm AB}\) と
\(\overrightarrow{\rm CD}\) は等しくない。
\(\overrightarrow{\rm AB}=\vec{a}\) とおくと,
\(\overrightarrow{\rm DC}=\vec{a}\)
\(\vec{a}\) は \(\overrightarrow{\rm AB}\) と等しい矢印の「代表」と見ることができる。
このように矢印の集合に構造を入れていく。