130324 初版 130324 更新
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はしたの考えを深めると,2つの方向がある。
連分数展開小数展開である。
逐次・帰納的な考えがでてくるので, 数列のあとに学ぶのがよいのかもしれないし,
逆に,逐次・帰納的な考えはプリミティブな思想だから, できるだけ早い時期からスパイラルに学んでいくほうがよい。
中学入試のほとんどない本県では, 数列の考えは決定的に弱いというのが私の見立てである。

例1

\(a_1=\sqrt{2}\)
\(a_1\) の 小数部分は \(\sqrt{2}-1\) である。
逆数(\(a_2\) とおく)を取ると \(a_2=\dfrac{1}{\sqrt{2}-1} > 1\)
\(a_2\) の整数部分と小数部分を考えることができる。
n an pn: anの整数部分 qn: anの小数部分
1 \(\sqrt{2}\) 1 \(\sqrt{2}-1\)
2 \(\dfrac{1}{q_1}=\sqrt{2}+1\) 2 \(\sqrt{2}-1\)
3 \(\dfrac{1}{q_2}=\sqrt{2}+1\) 2 \(\sqrt{2}-1\)
\(\sqrt{2}=1+\dfrac{1}{2+\dfrac{1}{2+\dfrac{1}{2+\cdots}}}\)

例2

\(a_1=2\sqrt{3}\)  (\(2\sqrt{3}\) と \(2\sqrt{3}-1\) は小数部分は等しい)
\(a_1\) の 小数部分は \(2\sqrt{3}-3\) である。
逆数(\(a_2\) とおく)を取ると \(a_2=\dfrac{1}{2\sqrt{3}-3} > 1\)
\(a_2\) の整数部分と小数部分を考えることができる。
n an pn: anの整数部分 qn: anの小数部分
1 \(2\sqrt{3}\) 3 \(2\sqrt{3}-3\)
2 \(\dfrac{1}{q_1}=\dfrac{2\sqrt{3}+3}{3}\) 2 \(\dfrac{2\sqrt{3}-3}{3}\)
3 \(\dfrac{1}{q_2}=2\sqrt{3}+3\) 6 \(2\sqrt{3}-3\)
4 \(\dfrac{1}{q_3}=\dfrac{2\sqrt{3}+3}{3}\) 2 \(\dfrac{2\sqrt{3}-3}{3}\)
5 \(\dfrac{1}{q_4}=2\sqrt{3}+3\) 6 \(2\sqrt{3}-3\)
\(2\sqrt{3}=3+\dfrac{1}{2+\dfrac{1}{6+\dfrac{1}{2+\cdots}}}\)
2次の代数的数の連分数展開も面白い。
e (ネイピア数) や π (円周率) の連分数展開も面白い。
しばらくは,ここには書かない。
ネットで検索するより,計算してみよう。
この考えで,無理数を有理数近似することができる。
\(\sqrt{2}\) = 1.414213562373095…,  \(\dfrac{1393}{985}\) = 1.414213197969543…
\(2\sqrt{3}\) = 3.464101615137755…,  \(\dfrac{8733}{2521}\) = 3.464101547005157…
e = 2.718281828459045…,  \(\dfrac{2721}{1001}\) = 2.718281718281718…