141201 初版 141201 更新

整数の除法

自然数 b について,
b の倍数の列を考える。
任意の整数 a に対して,次の不等式を満たす整数 q が存在する。
bq ≦ a < b(q + 1)
q は a を b で割った商という,a-bq を 余りという。
3 の倍数 の列
q -3 -2 -1 0 1 2 3 4
3q -9 -6 -3 0 3 6 9 12
11 を 3 で割ると, 商は 3, 余りは 2   11 = 3・3 + 2
8 を 3 で割ると, 商は 2, 余りは 2   8 = 3・2 + 2
5 を 3 で割ると, 商は 1, 余りは 2   5 = 3・1 + 2
2 を 3 で割ると, 商は 0, 余りは 2   2 = 3・0 + 2
-1 を 3 で割ると, 商は -1, 余りは 2   -1 = 3・(-1) + 2
-4 を 3 で割ると, 商は -2, 余りは 2   -4 = 3・(-2) + 2
3で割った余りが2 である自然数を 小さい順に並べると
初項 2, 公差 3 の 等差数列 になる。

3で割った余りが2 である整数 の集合を
3を法として 2 と等しい数 (合同な数 というほうが丁寧) の集合 という。
この集合の元は 3を法として等しい(合同である) という。
3 を法とすると, 14 と 32 は 等しい (合同である)。
このことを 14 ≡ 32 (mod 3) と書く。 (合同式)
3を法とすることによって,
整数を互いに disjointな (共通部分の持たない) 3つの集合に分類することができる。

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